製造物責任」記事に頂いたコメントについて

「知恵袋・・・」さんの立証論

「スライムパンク防止剤がバルブ腐食を起こすという科学的な根拠を示せ。」

と求められている科学的な根拠とは、クリティカル・シンキングで始める論文読解根拠となるものを参考にすればよいでしょうか?

根拠は、誰でもが確認することができる「経験的事実」である場合と、「経験的に事実かどうかを直接確認することが困難な事象」である場合があります。ここでいう、「経験的事実」とは、個人的に経験・体験した事実という意味ではなく、実験観察、調査などの手続きによって誰でもが確認できる普遍的な事実のことです。

根拠と立証

根拠だけではなく、当然だと思いますが、立証も求められています。

あなたの立場は、あくまでも自力で製品の問題について立証する立場なんですよ。
投稿: (236)知恵袋で回答させていただいた者です。 | 2018年9月19日 (水) 08時50分

論証とは何かより

実験や調査から得られたデータに基づき、著者が主張したり結論を導いたりします。このようにデータを理由として、そこから主張(結論)を導くことを論証といいます。科学論文をクリティカルに読むためは、著者がデータなどを基にどのように論証し、主張するに至ったのかを読み取ることが必要なのです。

論証が正しいと認めて頂ければ、「知恵袋・・・」さんへの立証が終わるのかと思います。

【「スライムパンク防止剤がバルブ腐食を起こす」は普遍的な事実ではなく、腐食を起こすという主張を導くためのデータがない。】
というのが、「知恵袋・・・」さん達の主張だと思われます。
自転車の修理に携わる人たちにとっては、よく目にする普遍的な事実だと思うのですが、「知恵袋・・・」さん達には認めて頂けないことのようです。

当店が提示した根拠への評価

【スライムが入っているチューブのみで発生しており、バルブ腐食の原因はスライムだと断定しております】
と、「スライムが入っているチューブのみで発生」とデータ(根拠)を示し、「原因はスライムだと断定しております」と主張しましたが、
根拠への言及はなく、手法が不明との理由で根拠と認めて頂けませんでした。

あなたの【スライムパンク防止剤によるバルブ腐食の問合わせと回答】というページで、あなたは【バルブ腐食の原因はスライムだと断定しておりますが】と書いていますが、こういうところにも根拠がないですよね。
どういう手法でバルブ腐食の原因がスライムだと断定できたのでしょうか?
投稿: (168)知恵袋で回答させていただいた者です | 2018年9月21日 (金) 13時44分

論理的な証明は認められないのか、「あれなければ、これなし」の因果関係の主張についても、因果関係にも触れていないと評されました。
前のコメントでの手法も同様に、誘発する説明になっていないとの評価はメカニズムの説明がなされていないとの指摘でしょうか?

>因果関係の立証でよろしければ、
  「スライムパンク防止剤の入っていないチューブでは、バルブの腐食は発生していない。」
でよろしいでしょか?

これではスライムが腐食を誘発する説明にはなっていないのはお分かりになりますでしょうか?
因果関係にも触れていませんし、立証というには程遠いです。
投稿: (236)知恵袋で回答させていただいた者です | 2018年9月20日 (木) 23時19分

同じ主張を再度評価くださいました。
「バルブの腐食が発生していない」を「個人的に経験・体験した事実」と扱われたのか、経験談の披露と評されデータ(根拠)とは扱って頂けませんでした。
実のところ、私には、実験で得られた結果と、自分が体験した結果(経験)の違いが理解できていません。

>因果関係の立証でよろしければ、 
「スライムパンク防止剤の入っていないチューブでは、バルブの腐食は発生していない。」
でよろしいでしょか?

これが【スライムはバルブの腐食を誘発する】ことの因果関係を示していないことはお分かりになりますよね。
ここがわからないようでしたら何を言っても無駄だと思うのですが、上の文章で示したのはバルブの腐食が発生していないという経験談の披露です。
投稿: (168)知恵袋で回答させていただいた者です | 2018年9月21日 (金) 13時44分

バルブコアの材質と材質の特性を示し、腐食状態からの想定される腐食原因を示しましたが、これも立証とは認めて頂けません。
教科書に書いてあるようなことは、根拠にならず、化学の説明では立証にならないそうです。

>科学的立証であれば、
「チューブのバルブに使用されている、真鍮(黄銅)は、常温の乾燥空気中では、腐食しない。
腐食の状態からは、酸性液中で溶解腐食したものである。」
ではまだ不足かな
これを、スライムパンク防止剤中のどの成分が酸性を示し、真鍮(黄銅)が腐食されたかまでを求められますか?

これは立証ではありません。
教科書に書いてあるようなことを述べただけに過ぎません。
これでは単に化学の説明しただけであって、立証にはならないということをお分かりになりますでしょうか?
投稿: (236)知恵袋で回答させていただいた者です | 2018年9月20日 (木) 23時19分

投稿: あのこら | 2018年9月21日 (金) 17時24分
で述べた 「乾燥空気によるニッケル、黄銅(真鍮)への腐食が発生しないことは、学述的に実証されている。」
に対しては記載されている論文なり文献が必要だそうです。

「www.Slime.comのチューブレス用シーラントのFAQには、アルミリムの腐食の可能性が記載され。チューブレス用シーラントには、錆や腐食防止剤、pH緩衝液が配合されていると記載されています。」
に対しては、サイトに記載された内容は立証の根拠として通用しないとの評価です。

学術的に証明されているなら、その論文なり文献を出すのが普通です。
間違ってもネットの記事とか何の意味も持たないんですよ。

メーカーサイトのFAQに書いてあったこととか、そんなものを持って立証なんて誰にも通用しないですよ。
投稿: (168)知恵袋で回答させていただいた者です | 2018年9月21日 (金) 20時00分

根拠は、実験から得られたデータしか認めないとのお立場のようです。

立証の条件

自然的因果関係の証明に関して、当店が見つけられたのは、因果関係認定の4要素という記事です。

因果関係がある、と言うためには、4つの要素を証明する必要がある。それは、

①時間的先後関係
②相関性
③非擬似相関性
④メカニズム

である。
この4要素が必要な理由は見つけられていませんが、見つけたら、紹介します。

「知恵袋・・・」さんから示された条件は以下の通りです。

スライム無しでバルブの腐食が自然発生する可能性についての検討、スライム入りだとそれがどう変わるのかの検討、ほかに関わる要素があるのかないのか、ほかに関わる要素があるとしたらどのように考慮したのか、ほかに関わる要素がないとしたらないと言い切れる理由などを述べないと訴訟に耐えきれるような因果関係にはなりません。
投稿: (168)知恵袋で回答させていただいた者です | 2018年9月21日 (金) 13時44分

データは、厳密な手法に基づいた実験から得られたものでなければならず、
立証するためには実験する必要があるそうです。
逆に言えば、実験がなければ立証もないということのようです。

立証するにはある事態を想定して科学的な方法で実験しますよね。
まず実験自体の信用性が問われます。
ほかの要素を排除できるかも重要です。
サンプル数を増やして実験し、統計学的な手法で偶然性を排除します。
そして実験で得られたデータに対する考察のところで、あなたが挙げた化学の教科書のような理論があるからこういうデータが出たのではないか?という結論を導きます。
投稿: (168)知恵袋で回答させていただいた者です | 2018年9月21日 (金) 20時00分

注目して頂きたいのは、4要素と同じく、非疑似相関性の証明を求められている点です。
そして、「あれなければ、これなし」の因果関係の証明を認められないのは、前述のとおりです。

①時間的先後関係

腐食より先に、スライムパンク防止剤を注入した事の証明ですが、
「スライム入りだとそれがどう変わるのかの検討」が相当するのでしょうか?
時間的先後関係を明示しての否定は有りませんでしたので、興味の外なのでしょうか?
先後関係を疑うとすれば、腐食したバルブがあって、スライムパンク防止剤が注入されていて、バルブ腐食後にスライムパンク防止剤が注入された可能性の検証が必要なのでしょうか?
スライム無しでバルブの腐食が自然発生する可能性についての検討」も、時間的先後関係に関連してきますか?

②相関性

当該原因が生じても、その結果が生じるときと生じないときがあるのであれば、そもそもそれは科学的因果関係は無い。別の要因によって結果が発生している可能性が高く、因果関係があると言い切ることはできない。

スライム無しでバルブの腐食が自然発生する可能性についての検討」は相関性の証明を求められたものですか?
同時に非疑似相関性の証明も求められていますか?

③非擬似相関性

2で証明された相関性は、別の要因によって連動して生じているわけでは無い、ということである(C→A・B)。

・・・

しかし、この非擬似相関性の立証はものすごい大変で、100%の立証はほぼ不可能である。
見ての通り、非擬似相関性の立証は、擬似相関では「無い」ことの証明である。
無いことの証明は所謂「悪魔の証明」であって、我々の持つ「論理」という思考方法では立証不可能である。

というわけで、「因果関係がある」ことの証明は厳密には非常に困難である。
少なくとも、擬似相関を疑う姿勢は常に持っておくべきだと考える。

ほかに関わる要素がないとしたらないと言い切れる理由」と非疑似相関性の証明は明確に求められています。
「知恵袋・・・」さんにとってのないことの証明』のとおり、「知恵袋・・・」さんも、困難、事実上不可能とといわれる言われる証明です。

④メカニズム

因果関係を立証したと言えるためには、ダイナミックな「流れ」を説明できなければならないということである。

実験で得られたデータに対する考察のところで、あなたが挙げた化学の教科書のような理論があるからこういうデータが出たのではないか?という結論を導きます。

【「腐食性の疑いのある液に、被腐食物を浸漬したら、このように腐食されました。」腐食性を疑った液には被腐食物に対する腐食性が有ります。】との結論なら、化学の教科書のような理論は使っていませんが、認めて頂けるのでしょうか?
腐食性の疑いのある液とはスライムパンク防止剤で、被腐食物は自転車チューブのバルブコアです。

ないことの証明、絶対の証明

上記の通り、非疑似相関性の証明として、無いことの証明を求められました。

例えば、あなたが過去にスライム入りチューブでバルブの腐食が認められたケースが30事例あったとします。
それが偶然性を排除していると言い切れます??
スライム入りで全く腐食が発生していないバルブがあるかもしれませんよね?
たまたまあなたが見た30件が腐食していただけという偶然性を排除できますか?
投稿: (168)知恵袋で回答させていただいた者です | 2018年9月21日 (金) 13時44分

と偶然性の排除という表現で、絶対の証明を求められました。
「知恵袋・・・」さんが、腐食を否定されているなら、「空気しか入っていないチューブでも、腐食したバルブが存在する」ことを示して頂くのですが、腐食の否定はされていなくて、当店がバルブがスライムパンク防止剤で腐食されることを証明しなくてはいけないことになっているので、「スライム入りで全く腐食が発生していないバルブ」は無いことの証明という難しい証明です。

立証とは関係ないことですが、この文章の記述中に「証明責任の転嫁?」に気付きました。

「知恵袋・・・」さんにとってのないことの証明

そもそも【無いもの】についての科学的な立証は困難です。
投稿: (163)知恵袋で回答させていただいた者です | 2018年9月20日 (木) 11時06分

と無いものの立証を求める困難さはご存じです。

もう一つ書くならば、【無いこと】を立証することは事実上不可能です。
だから腐食が起こらないとは証明できませんので、あさひはそう書いただけだと捉えるのが一般的な考え方ですよ。
投稿: (2)知恵袋で回答させていただいた者です | 2018年9月25日 (火) 14時00分

こちらでは、事実上不可能と述べられています。

>ないことを立証する必要はないんですよ

あのですね、あなたが根拠があるのかないような申し立てをして、あさひ側がそれを反論として立証するわけですよね。
あさひ側としてはそんなことはないと反論したいでしょうから、【スライムが腐食を誘発することはない】という証明をせざるを得ないんですよ。
これがないことの証明という意味です。

>スライム以外に腐食の原因が在ると立証するだけです

これを立証したところで【スライムが腐食の原因だ】に対する反論にならないことは理解できますか??
投稿: (2)知恵袋で回答させていただいた者です | 2018年9月25日 (火) 20時39分

と証明についても「ないことの証明」にこだわりがお強いようです。

立証のレベル

投稿: あのこら | 2018年9月21日 (金) 17時24分で行った論証について、頂いた評価です。
立証レベルとしては、まだまだ足りないそうです。

あと因果関係うんぬんについてですが、もしあなたがPL法上の被害者に該当するとして、単に提訴するだけならあなた程度の因果関係でも可能です。
ただ単に提訴するだけならば。

でも例えば訴訟の場で、製造者側があなたの訴えに反する実験データを持ち出してきた場合、あなたにはそのデータについて反論できないでしょう。
だからきちんとやるべきことはやって、理論武装とあなたなりの実証結果などのデータがないとそこで反論できないでしょう。
投稿: (168)知恵袋で回答させていただいた者です | 2018年9月21日 (金) 20時00分

仮定の話で、立証のハードルが上がっていくのは、非疑似相関であることの証明が出来ていないからでしょうか?

何故立証を求めるのか?

立証を終えているので、負け惜しみではなく書けるのですが、立証(していない・出来ていない)に記載した通り、立証出来ていないことがスライムパンク防止剤がバルブコアを腐食しないことの証明にはなり得ません。

経験から得られた
・腐食したバルブが存在する事実。
・空気しか入っていないチューブでは腐食したバルブが存在しない事実
・腐食したバルブとスライムパンク防止剤がともに存在する事実
は立証出来ても立証できなくても変わりません。

これらの事実を否定することなく、立証を求めるのは、嫌がらせであったり、サイトの信頼性を貶めようとする行為としか、感じられないのは、私の感性に偏った判断が有りますか?

参考

疫学的因果関係証明法
 EBPT用語集⇒研究法関連用語⇒因果関係