スライムパンク防止剤とはtop

概要

 自転車パンク防止・修理剤には大別して、ラテックス(生ゴム)系と、水に固形物を分散したものが有ります。

 ラテックス系はタイヤシーラントとして使われることも多く、ラテックスが空気に触れるとゴム化して固まる性質を利用しています。

 スライムは水に固形物(繊維・ラテックス)を分散したパンク防止・修理効果を持つチューブシーラント剤です。
 穴が開いた部分に、チューブ内の空気の圧力で、繊維と固形物と粘性の液体を押し込み、穴を塞ごうとするものです。
 これは、単体で販売されているチューブ用スライムのラベルのコピーです。

*クリックすると拡大します。

性能・効果

サイクルベースあさひECサイト スライムパンク防止剤ページから引用

 しっかり空気圧管理をして乗られているなら、
 通勤や通学などで、どうしても遅刻したくない時など、小さな異物を踏んでパンクしても、何とか目的地に行けるだけの性能は持っているのだと思います。
 遠出をして知らない街に行く時など、自転車屋さんが見つかるだろうかと心配しなくてもいいかもしれません。

 実際に試したことは有りませんので、効果については、楽天のスライムパンク防止剤サイトでレビューをご確認の上、各自がご判断ください。

 異物パンクの割合が他のパンクに比べて少ないことも有ると思いますが、今まで、スライムパンク防止剤がパンクを塞いでいた例にはあったことが有りません。

シールメカニズム

 ドロドロした液の中に、極細の繊維と、粘土状の物、細かなゴムの粒子が有り、穴が開くとチューブ内の空気の力で固形物が穴に押し込まれ、空気の漏れを防ぎます。

 液が乾いたり、繊維がダマになると、効果を発揮できなくなります。
 空気の力も重要です、空気圧が低いと固形物が固まらず液が漏れ続けることが有ります。

https://ec.cb-asahi.co.jp/catalog/products/dac7db320b3d4f3eb7cd5315cdf5a753から借用

効果を発揮させるには

サイクルベースあさひECサイト スライムパンク防止剤ページから引用

 シールメカニズムの項でも書きましたが、空気の圧力が重要です、チューブ内の空気の力で固形物が穴に押し込まれ、空気の漏れを防ぎます。
 空気圧が低いと固形物が固まらず液が漏れ続けることが有ります。

スライムパンク防止剤で防げないパンク

サイクルベースあさひECサイト スライムパンク防止剤ページから引用

 もう少し、詳しく解説すると、
 修理屋として目にするパンクの中で異物が刺さってのパンクは、件数で2割以下です。
 大半のパンクは空気圧不足が原因の リム打ち、擦れ、チューブ折れ、バルブ剥がれです。
 余程、工場地帯や砂利道など、異物の多い道路を走らない限り、異物でのパンクは3年に一度あるかないかです。
 パンクの原因についてはこちらに纏めました。

 スライムが効果を発揮するには、空気がしっかり入っていることが必要ですが、空気がしっかり入っていると、実はパンクは殆んどしないものなのです。

 記載されていないスライムパンク防止剤で防げないパンクには
 ニップルパンク(シティ車)、ニップル穴パンク(スポーツ車)、タイヤの劣化によるバーストなどが有ります。

 いたずらによるバルブ抜き取りやカッターでの切り裂きもサイトに説明されている通り、空気の漏れを防ぐことはできません。

 パンク防止・修理剤で防げるパンクは、パンク穴の大きさが2.8mmまでの異物が刺さったパンクです。(説明書の記載)
 実際には、画鋲程度の刺さりものが限界で、自転車のチューブは薄いので、繊維を保持することができないようです。
元の問い合わせにはたどり着けませんでしたが、こんな回答が有ります。

@toothless_biker お問合わせ頂きありがとうございます。パンク防止剤につきましては画鋲やピンなどの穴であれば空気の抜ける勢いで液材が目詰まりし、穴をふさいでくれます。あまりに大きい穴や車輪内側向きに空いた穴につきましては、ふさぐことができない場合もございます。

— サイクルベースあさひネットワーキング店 (@cbasahi) 2015, 3月 30

こちらで、バイクや車では、評価の良いスライムパンク防止剤が何故、自転車では評価されないのか、考察してみました。

突き刺しパンク以外が防げないのは

 サイクルベースあさひさんのECサイトからの借り物の画像です。
 パンクが防げるメカニズムを説明されていますが、実はこの説明が、突き刺しパンク以外を防げない説明にもなります。

 車輪が回ると遠心力で外(接地面)側がコーティングされます。
 当然ですが、パンク防止剤が存在するのは外(接地面)側だけですから、外(接地面)側以外のパンクは防げません。

2.8mm以下でも防げないパンクがあります。

2_8mm_2販売サイトでは明言されていませんが、実際に対応しているのは、2.8mmまでの太さの棒状の刺さりものです。
棒状の刺さりものでは、刺さったものを取り去ると、ゴムの収縮力でほとんど穴は塞がった状態になります。
 チューブの厚みが多ければ、より収縮する力は強くなりますから、パンク防止の効果を発揮するには、肉厚チューブの方が有利です。
  効果があるのは棒状の刺さりものと書きましたが、バラの棘のような、円錐形の刺さりものでも、穴は塞がりますから大丈夫です。
  2.8mm以内の刺さりものでも、スライムパンク防止剤が効果を発揮しない刺さりものがあります。 ガラス片や、金属片、石片など、薄くて、鋭い角をもった刺さりものでは、チューブに切れ目ができますので、収縮力で穴が塞がることは有りません。
 スライムパンク防止剤の類似品であるウルトラシールのサイトの記載ですが、
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《下記の場合、本製品の効果が得られません》
 ・予防範囲以上の異物の場合
 ・ガラスや鉄片等によるカット、ネジクギ、L型の異物、バーストの場合
 ・トレッド部分以外に異物が刺さった場合
 ・チューブタイヤが劣化し、ゴムの伸縮が低下した状態
 ・本製品注入後3~5kmまでの距離は、製品がチューブタイヤに馴染んでいないため、パンク予防がしにくい状態
http://www.netprice.co.jp/netprice/library/goods/179352/
----------------------------

パンク穴を塞ぐのは、走っている(車輪が回っている)時だけです。

   右の説明書に似た記述(自転車を暫く乗らずに放置しておきますと、液体がチューブの下部に溜まってしまいます。)がありますが、液体ですから、止まると下に溜まって、パンク箇所へのスライムパンク防止剤の供給が無くなります。
 スライムパンク防止剤の供給が無くなるとパンク箇所から空気が漏れます。
 パンクに気づいいたら、パンク修理は必要です。
 空気を補充して、車輪を回転させて再度スライムパンク防止剤で穴を塞いで、自転車屋さんまで走りましょう。

性能保証は2年間です。

 スライムパンク防止剤のサイトには記載が有りませんが、商品のラベルには右の記載があります。
 性能の有効期間は2年間ということです。

 言い換えると、スライムパンク防止剤は、2年を過ぎると、パンク防止効果化はなく、ただの厄介者、別なトラブルの原因になるということですが、こちらに記載した通り抜くのは大変で、チューブ交換しか除去する方法はないと思ってください。

 なぜ2年間かという説明は有りませんが、時間が経ったスライムパンク防止剤入りチューブでは、チューブ内にフェルト状の塊の存在を感じます。
Kimg0490
 繊維が凝集することで、パンク防止効果が保証できなくなるのだと考えています。

 青い空さんから、走行距離によっては、2年経過してもフェルト状の塊は出来ないとご教示頂きました。
実際の性能保証期間については、距離条件も考慮する必要が有りそうです。

性能保証とは?

 規定の空気圧を守っていれば2.8mm(サイトの記述)または3mm(商品ラベルの記述)のトレッド面でのパンクは補償対象になるはずです。

 パンク修理費用が無償になるのか、注入に要した費用が返金されるのか、補償内容は不明ですが、サイクルベースあさひさんに補償の申し出をしてください。

 サイトに記載されていないので、注入時に説明があるとは思えません、スライムパンク防止剤を注入される時は、2年間の保証内容もご確認ください。

 何故、商品ラベルには記載されている、2年間の性能保証が、サイトには記載されていないのか、
 ラベルの日本語化はAccessories Marketing,Incが行ったのか、サイクルベースあさひさんも関わったのか
 謎です。

タイヤ一本の必要量

 説明書に記載されているタイヤ一本の必要量は118mlです。
 比重はSDSシートによると1.15(20℃)との事なので、タイヤ一本に重量で136gの重さが追加されます。
 タイヤ一本当たり、500mmLのペットボトルの1/4ぐらいの量になるはずですが、サイクルベースあさひさんの店舗によって注入量が異なっていたのではないかと思えるケースに遭遇したことが有ります。
 スライムは、適量充填されていますか?の記事参照。
 スライムを、チューブに入れるのは、結構大変な作業で、それなりに時間も掛かります。
  漕ぎが重くなることを嫌って?
  時間の節約?
  スライムをケチった?
 謎ですが、もしご自分で注入される場合は、こちらで販売されているものは、あさひさんで注入されるものと同じです。
メーカー指定の量を注入されることを、お勧めします。

成分

 株式会社あさひ(サイクルベースあさひ)さんに提示をお願いしていますので、提示していただければ、差し替えをしますが、取り敢えずはwww.slime.comの
http://www.slime.com/us/sds-sheets.phpで
Slime Inner Tube Sealantを開いて
SDSシートのSECTION 3:だけ抜粋して記載します。


アーカイブですが、こちらで見ることができます。

 成分としては

 glycerol:グリセロール(グリセリン) 粘性を持つ液体で保湿や凍結防止効果が有ります、乾燥防止でしょうか
                      腐食の実証試験では、グリセロール?が意外な挙動をしています。
 Attapulgite (Palygorskite):アタパルジャイト(パリゴルスカイト) 圧力を加えると固まる性質があるようです。
 Cellulose:セルロース(マイクロファイバー?)穴を塞ぐ主成分です。
 Natural rubber latex:天然ゴムラテックス  *天然ゴムラテックスは、チューブ用スライムだけの配合のようです。
からなり、残りは水でしょうか?
 緑色の色素については、SDS(安全データシート)からは、不明です。

今(2018_08_15確認)は、
http://www.slime.com/us/sds-sheets.phpで
Slime Prevent & Repair Sealant for Tubes (#10003, #10004, #10056W, #10162, SB-5G and all tubes)

で、Attapulgite (Palygorskite):アタパルジャイトの表示が無くなっています。

参考:ラテックスアレルギー

金属腐食の危険性

 スライムパンク防止剤の大半の成分は水とグリセロール(グリセリン)です。こちらでの実験では、バルブコアの腐食には至っていませんが、亜鉛と反応したグリセロール(グリセリン)の変質と思われる状態が見られます。

 長期間、チューブに入れっぱなしにすると、チューブのバルブコアやバルブの外筒に使われている真鍮が錆びて腐食されます。
 2年の性能保証期間を過ぎたら、スライムパンク防止剤を除去するか、チューブ交換をすることが必要です。
   金属腐食の危険性は、スライムパンク防止剤の製造元でも認めており、国内販売元のサイクルベースあさひさんも「腐蝕する可能性を前提に点検時にバルブコアの交換を実施しています。」と回答されています。

I’ve heard Slime will ruin my rims, is that true?
Our Slime Sealant for tubeless tires is formulated with rust and corrosion inhibitors as well as a pH buffer making the product more alkaline. All of these ingredients work to protect the integrity of your rim. It is important to note there are factors which can allow damage to occur in spite of this. If you want to err on the side of caution, you can use Slime as a roadside repair. All you need is Slime and an air compressor! Slime can have an adverse effect on certain types of aluminum rims. Because alloys differ, it is difficult to predict how Slime will react with your rims specifically. Over the years, though, we have found that older rims are more susceptible to damage from Slime. Make sure that, if you have tubeless tires, you are using our tubeless formula. Our inner tube formula does not contain rust and corrosion inhibitors. Do not leave Slime inside your tires for more than 2 years. After that time, we cannot guarantee the integrity of your rims. If pre-existing damage is present, we do not recommend using Slime.

www.slime.com/ Frequently Asked Questionsから引用

Q.スライムがリムを損傷すると聞いたが、本当か?
A.チューブレスタイヤ用の当社のスライムシーラントには、錆や腐食防止剤、pH緩衝液が配合されており、製品のアルカリ性を高めています。これらの成分はすべてあなたのリムの完全性を保護する働きがあります。それにもかかわらず、損傷が発生する可能性のある要因があることに注意することが重要です。慎重に誤っている場合は、スライムを路側の修理として使用することができます。スライムと空気圧縮機だけが必要です!スライムはある種のアルミニウムリムに悪影響を及ぼす可能性があります。合金は異なるので、スライムがあなたのリムとどう反応するかを予測することは困難です。しかし、長年にわたり、我々は古いリムがスライムによる損傷の影響を受けやすいことを発見しました。チューブレスタイヤを使用している場合は、チューブレス用を使用していることを確認してください。私たちのチューブ用には、錆や腐食防止剤は含まれていません。スライムを2年以上タイヤの中に放置しないでください。その後、お客様のリムの完全性を保証することはできません。既存の損傷が存在する場合は、スライムの使用をお勧めしません。

製造・販売

 Accessories Marketing,Inc,a division of ITW,Incの記載が有りますので ITW Global Tire Repair社のスライム部門Accessories Marketing,Incが製造・販売しているようです。
 ITWのサイトにはSlimeの記載は有りませんが、グリセリンをシーラントの不凍液としてして使用する特許を有していることが記載され、SlimeのサイトにはITW Global Tire Repairの記載が有ります。
 スライムには自転車だけではなく、自動車から、農業用、建築用のタイヤ用シーラントまで幅広い製品が有ります。

 国内で自転車用で見るのは、チューブタイヤ用がほとんどだと思いますが、チューブレス用のシーラントの品揃えも有ります。

 自転車用のチューブタイヤ用はサイクルベースあさひが販売元になっているはずです。
 断定できないのは、販売サイトにも記載がなく、ECサイトには単体での販売不可となっていて、店頭でもボトルを見なくなったからです。
 注入後お渡しという方法で、提供をされているので、販売元であるメリットを手放したとは思えません。

 概要で示した、ラベルを入手したころは、あさひさんの店頭で、ボトルを販売していたのですが、現在も店頭でボトルでの販売をされているのかは分かりません。

 並行輸入品かもしれませんが、アマゾンや楽天などでも販売されています。
 スライムパンク防止剤やSlime等で調べて見て下さい。
 いろんな種類が有りますので、チューブタイヤ用 8oz(237ml)を選んで下さい。

問合せ先

 サイクルベースあさひさんのサイトでは、見つけにくいので、問い合わせフォームのURLとサイクルベースあさひ本社のお客様相談室の 電話番号を記載しておきます。

 お客様相談室のフリーダイヤルは、スライムパンク防止剤のラベルにも記載されていますが、お客様相談室に問合せした際、回答にも記載されていた番号です。

 お客様相談室への問い合わせフォーム https://www.cb-asahi.jp/contact/contact05/
 お客様相談室 フリーダイヤル 0120-177-319  FAX06-6922-1798(受付時間 平日10:00~17:00)


 出来るだけ、確認できる資料に基づいて記述したつもりですが、内容で、不明な点がありましたら、
 
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 ページ全体の記述内容についての問い合わせは、cyclemainte@anocora.comまで、
 商品についての疑問は、上記サイクルベースあさひさんの窓口まで、

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