日本に輸入されてから
サイクルベースあさひさんでは、スライムパンク防止剤と呼ばれます。
バイク用品の販売元南海部品さんでは、スライムシーラントOrスライムチューブシーラントと呼ばれます。
自動車関連でも、タイヤシーラントと呼ぶほうが一般的なようです。
概要のラベルには「パンク防止と修理」と用途が記載されています。
Slime.comの商品ラベルには
「PREVENT & RIPEAIR FLAT TIRES」と用途が記載されています。
Slime.comでは FLAT TIRE と PUNCTURE が使い分けられていますが、日本語ではどちらもパンクと訳すようです。
FLAT TIREはパンクして空気が抜けた状態。
PUNCTUREは、FLAT TIREの原因になるパンク穴を示すようです。
Slimeパンク防止剤は、PUNCTUREを防ぐものではなく、FLAT TIREを防ぐもの。
パンク穴を塞いでパンク穴からの空気の漏れを減らす商品のようです。
個人的には、パンク防止剤ではなく、エアー漏れ抑制剤と呼ぶことで、商品の効果効能が理解できる気がします。
サイクルベースあさひECサイト
https://ec.cb-asahi.co.jp/catalog/products/dac7db320b3d4f3eb7cd5315cdf5a753
スライムパンク防止剤ページから引用
ドロドロした液の中に、極細の繊維と、粘土状の物、細かなゴムの粒子が有り、穴が開くとチューブ内の空気の力で固形物が穴に押し込まれ、空気の漏れを防ぎます。 液が乾いたり、繊維がダマになると、効果を発揮できなくなります。 |
サイクルベースあさひECサイト https://ec.cb-asahi.co.jp/catalog/products/dac7db320b3d4f3eb7cd5315cdf5a753 スライムパンク防止剤ページから引用
シールメカニズムの項でも書きましたが、空気の圧力が重要です、チューブ内の空気の力で固形物が穴に押し込まれ、空気の漏れを防ぎます。
空気圧が低いと固形物が固まらず液が漏れ続けることが有ります。
サイクルベースあさひECサイト https://ec.cb-asahi.co.jp/catalog/products/dac7db320b3d4f3eb7cd5315cdf5a753 スライムパンク防止剤ページから引用
もう少し、詳しく解説すると、 修理屋として目にするパンク(PUNCTURE)の中で異物が刺さってのパンクは、件数で2割以下です。 大半のパンクは空気圧不足が原因の リム打ち、擦れ、チューブ折れ、バルブ剥がれです。
余程、工場地帯や砂利道など、異物の多い道路を走らない限り、異物でのパンクは3年に一度あるかないかです。
当店集計のパンクの割合についてはこちらに纏めました。
スライムが効果を発揮するには、空気がしっかり入っていることが必要ですが、空気がしっかり入っていると、実はパンクは殆んどしないものなのです。
記載されていないスライムパンク防止剤で防げないパンクには
ニップルパンク(シティ車)、ニップル穴パンク(スポーツ車)、タイヤの劣化によるバーストなどが有ります。
いたずらによるバルブ抜き取りやカッターでの切り裂きもサイトに説明されている通り、空気の漏れを防ぐことはできません。
パンク防止・修理剤で防げるパンク(Flat Tire)は、パンク穴の大きさが2.8mmまでの異物が刺さったパンクです。(説明書の記載)
実際に穴を塞いで乗り続けられるのは、画鋲程度の刺さりものが限界で、自転車のチューブは薄いので、パンク防止剤中の繊維を保持することができないようです。
元の問い合わせにはたどり着けませんでしたが、こんな回答が有ります。
@toothless_biker お問合わせ頂きありがとうございます。パンク防止剤につきましては画鋲やピンなどの穴であれば空気の抜ける勢いで液材が目詰まりし、穴をふさいでくれます。あまりに大きい穴や車輪内側向きに空いた穴につきましては、ふさぐことができない場合もございます。
— サイクルベースあさひネットワーキング店 (@cbasahi) 2015, 3月 30
こちらで、バイクや車では、評価の良いスライムパンク防止剤が何故、自転車では評価されないのか、考察してみました。
サイクルベースあさひさんのECサイトからの借り物の画像です。 |
こちらの方が、具体的に正直に記載されているようです。
そして、Slime.comのF&Qページには
との記載がありますが、サイクルベースあさひさんがサイトに記載されないのには何か理由があるのですかスライムのチューブシーラントではタイヤのパンクを防ぐことができませんでした。なぜうまくいかなかったのでしょうか?スライム チューブ シーラントは、最初の試行では適切に密閉されない可能性があります。
タイヤに穴が開いていないか確認し、穴があれば取り外し、タイヤに空気を入れ直してすぐに回転させることをお勧めします。
これにより、シーラントがインナーチューブの周りに強制的に流れ、穴の位置を特定して修復できるようになります。
Slime's Tube Sealant は、ガラスや金属の傷、ビードの漏れ、側壁の穴、またはピンチフラット(リム打ち)をシールすることを保証するものではありません。
バルブを必ずチェックして、この発生源で空気損失が発生していないことを確認してください。
2014.01.12の異物の通り、小石で起きたスライムパンク防止剤入りチューブの修理経験があります。
スライムパンク防止剤のサイトには記載が有りませんが、商品のラベルには右の記載があります。
性能の有効期間は2年間ということです。(こちらで補足)
言い換えると、スライムパンク防止剤は、2年を過ぎると、パンク防止効果化の保証はなく、ただの厄介者、別なトラブルの原因になるということですが、こちらに記載した通り抜くのは大変で、チューブ交換しか除去する方法はないと思ってください。
規定の空気圧を守っていれば2.8mm(サイトの記述)または3mm(商品ラベルの記述)のトレッド面でのパンクは補償対象になるはずです。
パンク修理費用が無償になるのか、注入に要した費用が返金されるのか、補償内容は不明ですが、サイクルベースあさひさんに補償の申し出をしてください。
サイトに記載されていないので、注入時に説明があるとは思えません、スライムパンク防止剤を注入される時は、2年間の保証内容もご確認ください。
何故、商品ラベルには記載されている、2年間の性能保証が、サイトには記載されていないのか、 ラベルの日本語化はAccessories Marketing,Incが行ったのか、サイクルベースあさひさんも関わったのか 謎です。
説明書に記載されているタイヤ一本の必要量は118mlです。
比重はSDSシートによると1.15(20℃)との事なので、タイヤ一本に重量で136gの重さが追加されます。
タイヤ一本当たり、500mmLのペットボトルの1/4ぐらいの量になるはずですが、サイクルベースあさひさんの店舗によって注入量が異なっていたのではないかと思えるケースに遭遇したことが有ります。
スライムは、適量充填されていますか?の記事参照。
スライムを、チューブに入れるのは、結構大変な作業で、それなりに時間も掛かります。
漕ぎが重くなることを嫌って? 時間の節約? スライムをケチった? 謎ですが、もしご自分で注入される場合は、こちらで販売されているものは、あさひさんで注入されるものと同じです。
メーカー指定の量を注入されることを、お勧めします。
株式会社あさひ(サイクルベースあさひ)さんに提示をお願いしていますので、提示していただければ、差し替えをしますが、取り敢えずはwww.slime.comの http://www.slime.com/us/sds-sheets.phpで Slime Inner Tube Sealantを開いて SDSシートのSECTION 3:だけ抜粋して記載します。
アーカイブですが、こちらで見ることができます。
成分としては glycerol:グリセロール(グリセリン) 粘性を持つ液体で保湿や凍結防止効果が有ります、乾燥防止でしょうか 、腐食の実証試験では、グリセロール?が意外な挙動をしています。
Attapulgite (Palygorskite):アタパルジャイト(パリゴルスカイト) 圧力を加えると固まる性質があるようです。
Cellulose:セルロース(マイクロファイバー?)穴を塞ぐ主成分です。
Natural rubber latex:天然ゴムラテックス *天然ゴムラテックスは、チューブ用スライムだけの配合のようです。
からなり、残りは水でしょうか?
緑色の色素については、SDS(安全データシート)からは、不明です。
今(2018_08_15確認)は、http://www.slime.com/us/sds-sheets.phpで Slime Prevent & Repair Sealant for Tubes (#10003, #10004, #10056W, #10162, SB-5G and all tubes)
で、Attapulgite (Palygorskite):アタパルジャイトの表示が無くなっています。
参考:ラテックスアレルギー
スライムパンク防止剤の大半の成分は水とグリセロール(グリセリン)です。
こちらでの実験では、バルブコアの腐食には至っていませんが、亜鉛と反応したグリセロール(グリセリン)の変質と思われる状態が見られます。
長期間、チューブに入れっぱなしにすると、チューブのバルブコアやバルブの外筒に使われている真鍮が錆びて腐食されます。
2年の性能保証期間を過ぎたら、スライムパンク防止剤を除去するか、チューブ交換をすることが必要です。
金属腐食の危険性は、スライムパンク防止剤の製造元でも認めており、国内販売元のサイクルベースあさひさんも「腐蝕を前提に点検時にバルブコアの交換を実施しています。」と回答されています。
www.slime.com/ Frequently Asked Questionsから引用
6.1.2 耐薬品性 耐食材料としての銅及び銅合金の用途はきわめて多岐にわたっており、各種材料の種々の使用環境における耐食性を一覧にしておくことは有用である。そこで、CABIC(Copper And Brass Information Center)及びCDA(Copper Development Association)にて取りまとめられたデータを基に表6.1-2にその一部を示した8.8')。ただし、材料の耐食性は多くの因子、例えば腐食媒の濃度、温度、流動状態、空気の混入、酸化剤の有無等のわずかな差に著しく左右されるため、これらすべてを考慮して作成することは非常に難しい。したがって本表も、標準的な条件下での材料間の相対比較を目的に作成してある。材料の選択や使用に際しては、本表に示される基本的耐食性と各種材料の使用実績を考慮して慎重に取り扱う必要がある。 A:(Excellent)完全耐食で腐食は起きない。 B:(Good)一部の環境を除いて問題なく使用できる。 C:(Fair)腐食されるが、一部の環境では使用可。 D:(Poor)腐食が激しく使用に適さない。 なお、A~Dの評価はいずれも相対的なものである。
伸銅品データブック P123-128 耐薬品性 より抜粋
パンク防止剤の主な成分は、グリセロール、セルロース、天然ゴムラテックスとなっております。 環境負荷物質も含まれておりませんので通常の可燃ごみで処分いただけます。
廃棄物の処理及び清掃に関する法律
(事業者の責務)
第三条 事業者は、その事業活動に伴つて生じた廃棄物を自らの責任において適正に処理しなければならない。
2 事業者は、その事業活動に伴つて生じた廃棄物の再生利用等を行うことによりその減量に努めるとともに、物の製造、加工、販売等に際して、その製品、容器等が廃棄物となつた場合における処理の困難性についてあらかじめ自ら評価し、適正な処理が困難にならないような製品、容器等の開発を行うこと、その製品、容器等に係る廃棄物の適正な処理の方法についての情報を提供すること等により、その製品、容器等が廃棄物となつた場合においてその適正な処理が困難になることのないようにしなければならない。
3 事業者は、前二項に定めるもののほか、廃棄物の減量その他その適正な処理の確保等に関し国及び地方公共団体の施策に協力しなければならない。
(国及び地方公共団体の責務)
第四条 市町村は、その区域内における一般廃棄物の減量に関し住民の自主的な活動の促進を図り、及び一般廃棄物の適正な処理に必要な措置を講ずるよう努めるとともに、一般廃棄物の処理に関する事業の実施に当たつては、職員の資質の向上、施設の整備及び作業方法の改善を図る等その能率的な運営に努めなければならない。
2 都道府県は、市町村に対し、前項の責務が十分に果たされるように必要な技術的援助を与えることに努めるとともに、当該都道府県の区域内における産業廃棄物の状況をはあくし、産業廃棄物の適正な処理が行なわれるように必要な措置を講ずることに努めなければならない。
3 国は、廃棄物に関する情報の収集、整理及び活用並びに廃棄物の処理に関する技術開発の推進を図り、並びに国内における廃棄物の適正な処理に支障が生じないよう適切な措置を講ずるとともに、市町村及び都道府県に対し、前二項の責務が十分に果たされるように必要な技術的及び財政的援助を与えること並びに広域的な見地からの調整を行うことに努めなければならない。
4 国、都道府県及び市町村は、廃棄物の排出を抑制し、及びその適正な処理を確保するため、これらに関する国民及び事業者の意識の啓発を図るよう努めなければならない。
排出については、 事業ゴミ・事業系ごみ・事業系一般廃棄物といった分類は法律上には定義がなく、廃棄物の処理及び清掃に関する法律上の廃棄物としての分類は通常では「産業廃棄物」と「一般廃棄物」だけのようです。 その他政令で定めた、「特別管理産業廃棄物」と「特別管理一般廃棄物」があるそうです。
事業所から出るごみ(一般廃棄物)であっても、自治体によっては家庭ごみと同等の収集処理を行なったり、収集はせず持ち込みは事業者責任として処理を行ったり、対応が異なるそうです。
事業系ごみの正しい捨て方・処分方法
一般廃棄物の概要 というサイトがありました。
参考までに。
Accessories Marketing,Inc,a division of ITW,Incの記載が有りますので ITW Global Tire
Repair社のスライム部門Accessories Marketing,Incが製造・販売しているようです。
ITWのサイトにはSlimeの記載は有りませんが、グリセリンをシーラントの不凍液としてして使用する特許を有していることが記載され、こちらのSlimeのサイトにはITW Global Tire Repairの記載が有ります。
スライムには自転車だけではなく、自動車から、農業用、建築用のタイヤ用シーラントまで幅広い製品が有ります。 国内で自転車用で見るのは、チューブタイヤ用がほとんどだと思いますが、チューブレス用のシーラントの品揃えも有ります。
自転車用のチューブタイヤ用はサイクルベースあさひさんが販売元になっているはずです。
断定できないのは、販売サイトにも記載がなく、ECサイトには単体での販売不可となっていて、店頭でもボトルを見なくなったからです。
注入後お渡しという方法(http://www.cb-asahi.co.jp/item/97/20/item100000042097.html)で、提供をされているので、販売元であるメリットを手放したとは思えません。
概要で示した、ラベルを入手したころは、あさひさんの店頭で、ボトルを販売していたのですが、現在も店頭でボトルでの販売をされているのかは分かりません。
並行輸入品かもしれませんが、アマゾンや楽天などでも販売されています。
スライムパンク防止剤やSlime等で調べて見て下さい。
いろんな種類が有りますので、チューブタイヤ用 8oz(237ml)を選んで下さい。
JASDAQ上場した2004年から販売を開始したそうです。
出典:株式会社あさひの歴史 及び2019年2月14日のプレスリリース
2007年には、パンク防止剤が話題になっています。
サイクルベースあさひさんのサイトでは、見つけにくいので、問い合わせフォームのURLとサイクルベースあさひ本社のお客様相談室の 電話番号を記載しておきます。
お客様相談室のフリーダイヤルは、スライムパンク防止剤のラベルにも記載されていますが、お客様相談室に問合せした際、回答にも記載されていた番号です。
お客様相談室への問い合わせフォーム (https://corporate.cb-asahi.co.jp/contact/service/)
お客様相談室 フリーダイヤル 0120-177-319 FAX06-6922-1798(受付時間 平日10:00~17:00)
出来るだけ、確認できる資料に基づいて記述したつもりですが、内容で、不明な点がありましたら、
ブログ記事については各ブログ記事のコメント欄でお問い合わせください。
ページ全体の記述内容についての問い合わせは、cyclemainte@anocora.comまで、
商品についての疑問は、上記サイクルベースあさひさんの窓口までお願いします。