スライムパンク防止剤によるバルブ腐食の問合せと回答

 何度も何度も考えて、躊躇して、悶々としながら過ごしてきましたが、スライムパンク防止剤についてのサイクルベースあさひさんの考え方を知って頂くことは公益性が有ると判断して、公開することに致しました。

 問合せをしようと思ったきっかけは、「久しぶりのペダルタップ」記事に書いたバルブ根元の腐食とバルブコアの腐食です。

 「遠吠えではしょうがないので」で既報のとおり「サイクルベースあさひ お客様相談室」に問合せ(2016.12.02)しました。

 その後の、「サイクルベースあさひ お客様相談室」とのやり取りの結果です。

 公開当初は、ブログ記事のまま、文書のスタイルのみ変更して表示していましたが、ブログ記事以外のスライムに関する回答を得られなかった問い合わせも追加しています。

 個人名の部分だけは同一性を損ないますが、個人情報に当たると考え伏字に致します。

回答を貰って感じたことなど

 改めて回答を読み返してみると、
 デメリットをご存じないままスライムパンク防止剤を注入されたことによって生じた損害救済を求めているのに対して、

 品質保証対象外部品に対して、請求されましても弊社としましてはお支払する根拠がございません。
という返答で、説明不足は認めて頂けていませんし、損害賠償責任も認めて頂けていません。

 そういった論点のずれを埋める段階に来ていたので、残念な回答打ち切りでした。

 私なら、社内では、不具合に対する回避策が出来上がっているのですから、バルブ腐食の可能性はお客様に告知して、「点検を定期的に受けて戴ければ不具合発生前に該当部品は交換しますので、回避できる不具合です」と説明します。

 スライム入りチューブのパンク修理を断る自転車屋さんが多いことに対しても、後出しで「あさひではちゃんと修理します」といっても、だまされたと怒りの収まらないお客様が出てきます。
 夏目あいかのvita unica(ヴィータ・ウニカ)さんの[サイクルベースあさひからの回答]記事
なども、あらかじめ
 「町の自転車屋さんではスライム入りのチューブはパッチ貼り不能といってチューブを交換されるケースが有りますが、当店ではスライム入りでもちゃんとパッチ修理します。」と事前に伝えていれば、不信感ではなく、信頼に繋がったのではないでしょうか?

 Slimeパンク防止剤のサイトでは、異物以外の原因によるパンク以外は防げないことや、空気をしっかり入れていないと効果を発揮できないこと、防げる穴のサイズに限界があることなど、使用上の注意点は明確に表示され、Slimeパンク防止剤を注入したお客様への注意書きも存在するようです。

 スライムパンク防止剤 被害低減プロジェクトでデメリットの纏めをしている中で、気づいたのが、Slimeパンク防止剤には注入後の有効期限があるのに、この点については、販売サイトでは表示されていません。
 的を得ているかどうかは分かりませんが、こちらのブログの通り、不記載の理由を考察してみました。

 後日、スライムパンク防止剤について調べていて判明したことですが、一通目の回答には誤った認識が有ります。

I’ve heard Slime will ruin my rims, is that true?
Our Slime Sealant for tubeless tires is formulated with rust and corrosion inhibitors as well as a pH buffer making the product more alkaline. All of these ingredients work to protect the integrity of your rim. It is important to note there are factors which can allow damage to occur in spite of this. If you want to err on the side of caution, you can use Slime as a roadside repair. All you need is Slime and an air compressor! Slime can have an adverse effect on certain types of aluminum rims. Because alloys differ, it is difficult to predict how Slime will react with your rims specifically. Over the years, though, we have found that older rims are more susceptible to damage from Slime. Make sure that, if you have tubeless tires, you are using our tubeless formula. Our inner tube formula does not contain rust and corrosion inhibitors. Do not leave Slime inside your tires for more than 2 years. After that time, we cannot guarantee the integrity of your rims. If pre-existing damage is present, we do not recommend using Slime.

www.slime.com/ Frequently Asked Questionsから引用

Q.スライムがリムを損傷すると聞いたが、本当か?
A.チューブレスタイヤ用の当社のスライムシーラントには、錆や腐食防止剤、pH緩衝液が配合されており、製品のアルカリ性を高めています。これらの成分はすべてあなたのリムの完全性を保護する働きがあります。それにもかかわらず、損傷が発生する可能性のある要因があることに注意することが重要です。慎重に誤っている場合は、スライムを路側の修理として使用することができます。スライムと空気圧縮機だけが必要です!スライムはある種のアルミニウムリムに悪影響を及ぼす可能性があります。合金は異なるので、スライムがあなたのリムとどう反応するかを予測することは困難です。しかし、長年にわたり、我々は古いリムがスライムによる損傷の影響を受けやすいことを発見しました。チューブレスタイヤを使用している場合は、チューブレス用を使用していることを確認してください。私たちのチューブ用には、錆や腐食防止剤は含まれていません。スライムを2年以上タイヤの中に放置しないでください。その後、お客様のリムの完全性を保証することはできません。既存の損傷が存在する場合は、スライムの使用をお勧めしません。

 サイクルベースあさひさんが、取り扱いを開始したころには、記載されていなかった内容かもしれませんが、販売メーカーのFAQには、スライムパンク防止剤が金属を腐食する可能性が明記されています。

 もし、この記事をサイクルベースあさひさんの社員の方が見ておられましたら、
Slimeパンク防止剤によって発生するバルブ腐食の説明が足りなかった責任を感じて戴き、説明不足で損害を受けられたお客様への救済策の実施と、今後はしっかりデメリットをお客様に告知し、デメリットに対しての解決方法の説明をし、お客様が正しい商品知識を得た上で、商品の購入の選択を出来るように販売方法の改善をお願いいたします。

回答の骨子

・Slimeパンク防止剤を使用するうえでデメリットは存在するか。
・デメリットの説明責任は有るか
・賠償責任は有るか
の三点が争点だったと思います。

 頂いた三通の回答では、お客様にとってのデメリットの否定のみで、説明責任についての言及がなく、そのために賠償責任についても納得できない回答になっています。
 確かに、医薬品や化粧品などとは異なり、副作用やデメリットなどの説明義務はない商品のようですが、サイクルベースあさひさんとして、デメリットの存在を知りながら、お客様に説明せず販売することは、お客様への背信行為ではないでしょうか?

 一通目の回答では、完全には否定されていませんが、デメリットの存在を否定する方向で、それ以降の説明責任も。賠償責任も存在しないとの立場を取られているようです。

 2通目では、デメリットの存在は認めつつ、自社内での対応状況を説明されて、デメリットは問題にならないとの主張のようです。
 お客様にとってのデメリットはないので説明責任はないとの事のようです。

 3通目では、商品の説明を前向きに検討と回答されましたが、現在まで、サイトの記述に変更は有りません。
 支払いについても、保証対象外部品故に、個別のお客様の個別の事象では交換もあり得るとしながら、請求されても支払いは出来ないと否定されました。

 デメリットの存在は認めながら、お客様への説明は不要とのスタンスのようです。
 サイクルベースあさひさんの社内では、Slimeパンク防止剤の販売方法に異を唱えることはタブーなのかと思ってしまいました。

被害の救済は有るのか

 Slimeパンク防止剤が時間の経過でバルブコアを腐食させることが問題で、その点の説明が不足していたことによってお客様が不利益を被っています。
 保証対象の部品であるかどうかは無関係です。

 現状のサイクルベースあさひさんの考え方では、当店のような修理業者は、直接の利害関係者となりえませんので、費用の請求をすることが出来ません。

 実際に被害を受けられたお客様なら、3通目の回答に「弊社としても、保証対象外だからと言って、一律に全てをお断りするわけではございません。お客様からお申し出いただいた際には、こうした部分も考慮して対応をいたします。」と有りますので、申し出てみる価値は有るのかもしれません。

ブログには多くの励ましのコメントを頂きました。

 こちらで、ブログへのコメントをご覧いただけます。
 
 自転車メモなど(作成中)さんのサイトでは、費用請求には否定的な解説を頂きました。
●「バルブ腐食は定期的にメンテナンスすれば防げるから問題はない」というスライム販売側の考え方と