オークションで購入したパソコンですが、バッテリーの充電がまったくできず、だめもとでばらして見ました。
内蔵されていた電池は、PANASONIC CGR18650HG(Lithium ion)です。 |
"CGR18650HG"で検索し、http://www.206xs.com/topics/battery/とhttp://www.aichi.to/~thinkpad/batt/index.html
を見つけました。
1.PC本体の端子からは、12Vの出力があります。
左の写真の状態で、電池の端子間を測定しました。
電池をはずした状態では、右の図のとおり、24V、8Vでした。
2.バッテリーの電圧は直列状態で1.2Vあります。
3.端子、電池間の導通あり。
上記のWEBページから得た必要な情報をまとめると以下の表になります。
充電不能の条件 | 原因 | 症状 |
---|---|---|
電池の物理的な破壊 | 過充電による、内部圧の上昇 | 電池電圧=0、電池抵抗=∞ |
充電制御基盤の損傷 | 過充電、過電流による温度ヒューズ、素子の破損 | 端子、電池間の抵抗=∞ |
電圧が、充電制御の最低電圧以下 | 過放電による電圧低下 | 電池に電圧がある。端子-電池間の導通がある。 |
バッテリーは完全にだめにはなっていないと推論しました。
http://www.Panasonic.com/industrial/battery/oem/images/pdf/Panasonic_LiIon_CGR18650HG.pdf
パナソニックのホームページからは削除されたようで、リンクが切れています。キャッシュしておいたPDFはこちらにあります。
によると、常用電圧の範囲が3~4V程度(単体)なので、とりあえず、3V×3=9Vの電圧が出るまで、強制充電を試みることにしました。
問題-1
定電圧・定電流電源:推奨の充電条件はセル単体で4.2V、1,190mAで20℃、2時間です。対象のセルは過放電状態で、ほとんど内部抵抗がない状態です。
過電流で電池や充電器が発熱、発火、爆発の可能性があるため、どうしても、定電流の充電器が欲しいです。
出力電圧は、3V~4.2V、または9V~12Vで出力電流が1000mAあれば今回の3Vまでの充電には使えると思うのですが手持ちの充電器で定電流電源に使えそうなものを探すのは、少しばかり時間と手間がかかりそうです。
問題-2
調べた記事のなかに、IBM関連だったと思うのですが、「制御基盤をつけたまま、強制充電すると、制御基盤を破損する」と書いてあった記憶があります。
同様の破損を起こさないために、電池と制御基盤を切り離す作業が必要です。(12V程度であれば、大丈夫と思うのですが、念のため、ばらすことにします。)
ケースから取り出した制御基盤と電池です。 | |
拡大図です。電池と基盤をつないでいるようなリード線が4本見えます。この線がすごく気になります。 |
矢印の5箇所が、基盤と電池を半田付けしている箇所です。 写真は、半田付けをはずして、再度はめ込んでいます。 半田付けをはずす時に、手間取り、一箇所で1~2分掛かってしまいました。 | |
制御基盤の表面です。気になっていた黒い4本のリード線の正体は、サーミスタのようです。 | |
電池の基盤側を写した写真です。右下に白い折り返しがあります。 中に入っているのは、ヒューズか、サーミスタのようです。 |
続けて、充電器の選定、強制充電、動作チェックの予定でしたが、この作業までで、強制充電処理を断念することにします。
電池と制御基盤の切り離し作業で、傷口を広げたようです。電池が破損しました。
上の写真左上の電池のみが電圧0.4V、それ以外は単体で電圧=0、導通なしで完全死亡です。
多分、作業中に熱を加えすぎ、内部の圧力が上がって死亡したと思われます。
半田ごてが18Wだったこと。
吸い取り器で半田を吸い取り、その後、端子をはずそうとした手順ミスで時間がかかったこと
半田付け内の端子の状態が不明であったため、作業に手間取ったこと。
が反省点です。
次回やる機会があれば、下記の手順で電池に加える熱を最小にして端子をはずそうと思います。
手順としては、
1.半田ごてで半田を溶かし、そのまま端子を基盤からはがす。
2.冷却後あらためて、余分な半田の吸い取り除去を行う。
3.端子が抜けるように直角に起こす。
4.再度、冷却時間を置き、半田ごてを当てて、端子を基盤から抜く。
ようにすれば、成功の確率がかなり上がると思います。
電池が手に入れば、次の作業は電池交換になりますが、CGR18650HGの型番の出物は少ないようで、時間が掛かりそうです。
参考になればと思い、データだけ残しておきます。