前タイヤ交換

買い物自転車(ママチャリ)前輪のタイヤ・チューブ交換をしてみましょう。

今回は整備用スタンド(自作品)を使って前輪を浮かせた状態で作業しています。

しかし、スタンドをお持ちでなくても十分可能ですし、場合によってはハンドルを下にして車体自体をひっくり返した状態で作業する方法もあります。
前輪の車軸を固定しているナットは2面幅14mmです。
モンキーレンチでも回せないことはありませんが、できればコンビネーションレンチの「メガネ」側をお使いになると力を加えやすく、快適に素早く作業できるでしょう。
通常のネジですので、左回り(反時計回り)に回すと緩みます。
外す前に固定されている順番を記録しておきましょう。

【フォーク(フレーム)】
【泥よけステー】
【カゴ(籠)のステー】
【ワッシャ】
【ナット】
ホイールをフォークから外すとき、ブレーキがタイヤ側面の膨らみに引っ掛かる場合があります。
タイヤの空気を抜くと外れます。
外れました。
タイヤからチューブを外します。タイヤやチューブの外し方は、当サイト内の「買い物自転車のパンク修理」をご参照ください。
チューブとタイヤを装着して終了かと簡単に考えていたのですが、リムバンド(リムテープ)が切れかかった状態でした。
リムテープを購入して装着してみます。
ところが、このリムテープのゴムは薄めで、バルブを通す穴の部分の補強が不足気味です。

左の画像のように引っ張られて楕円形になってしまい、バルブを入れようとすると引っ掛かってしまうのです。
これでは遅かれ早かれリムテープが切れてしまう恐れがあるので、万が一と考えて同時に購入した粘着テープ式のリムテープを使うことにします。

一般的なゴム製リムテープ(リムバンド)は輪ゴムのような輪っかになっており、ゴムの伸縮性のよってホイールにピタリと張り付く仕組みになっています。輪っかなので24インチ用、26インチ用、27インチ用というようにサイズ指定があります。

しかし、この粘着テープ式リムテープは、テープを貼るようにして使います。したがってサイズの指定はありません。
テープはこのような状態で販売されており、1巻きで車輪2本分とされています。価格は200円前後です。
粘着テープ式リムテープにすると、バルブ穴の位置がずれないのでパンク修理が楽になるというメリットもあります。
タイヤはサイズを間違えないようにご注意ください。普通の買い物自転車に関しては、1-3/8という太さはほぼ共通で、あとは24インチ、26インチ、27インチ3種類しかありません。
タイヤの側面にはサイズが刻印されていますので、事前に確認しておきましょう。たとえ数字の意味がよく分からなかったとしても、数字をメモした紙をお店の方に見てもらえば話がスムーズに進むでしょう。
ビニールの梱包を解いてみると、台湾を拠点とするKENDA社製でした。
"KOURIER"(クーリー、クーリエ)という商品名のようです。
"INFLATE TO 55 P.S.I  4.0kgf/cm2"

このタイヤは4.0~4.6kgf/cm2と空気圧を指定していますが、一般的なタイヤは3.0kgf/cm2指定のものが多いようです。
"MAX 65 P.S.I (4.6kgf/cm2) "と書かれています。"P.S.I(=lb/in2)"、"kgf/cm2"、"Kpa"も圧力の単位です。単位は異なっても内容は同じなので、いちばん把握しやすい単位で考えれば分かりやすいでしょう。
空気圧計のなかには、左の画像のように"PSI"、"kg/cm2"、"kpa"が併記されているものがあります。

訳が分からなくなったら、この計器盤をみると大体の目安を得られるようです。

これは1,000~2,000円前後の価格で販売されている外国製空気圧計です。同一の仕様でありながら世界各地で販売する為には主要な単位を全て載せてしまえば良いという考え方のようです。各種単位が混在してしまっている状況なので、便利といえば便利なものです。
買い物自転車のタイヤには方向指定が無いものが多いのですが、この"KENDA"製タイヤの側面には回転方向が表示されています。
KENDA製"KOURIER"のタイヤ表面です。矢印の連続しているような模様です。
これは一般的なタイヤです。タイヤの模様が「点対称」になっているので、どちら向きに装着しても同じ模様になります。
タイヤの装着方法につきましては、当サイト内の「買い物自転車後輪のパンク修理」をご覧ください。
空気を入れていきます。
今回は買い物自転車には珍しい「米式」(べいしき、アメリカ式)バルブを使っています。

自動車やオートバイと同じ形状のバルブです。
米式バルブの特徴は、バルブ筒の中央にある突起を押すと空気が放出される点です。これによって、自動車・オートバイ用の空気圧計で圧力を測ることが出来るようになります。
空気は米式バルブに対応した空気入れで入れます。とはいえ、特殊なものではなく、ホームセンターで500~1000円程度で広く販売されている一般的なものです。

目印は空気入れの根物付近についている「高圧タンク」です。高圧タンクつきのものは米式バルブ用チャックが装備されている傾向があります。

米式バルブ用チャックが装着されていますが、一般的な買い物自転車(英式バルブ)に入れるためのアダプタも同梱されているので、英式、米式の両方に対応しています。

詳しくは当サイト内の「空気を入れる 手動空気入れ編」をご覧ください。
米式バルブ用チャックです。

バルブに差し込むことで、バルブ中央の突起が押されて空気の弁が開いた状態になります。奥まで差し込んだ後、レバーを90度倒すとロックされます。
適正空気圧の目安について
米式バルブチューブに交換したことで空気圧計が使用できるようになったので、各気圧ごとのタイヤの固さ加減をご紹介します。なお、買い物自転車の標準空気圧は3.0kgf/cm2です。難しそうな単位がついていますが、「3」が標準と簡単に捉えて頂いて結構です。

まず1.0kgf/cm2です。「1」、つまり標準空気圧の約3割しか空気が入っていない状態です。2本の指で強めに押すと、容易に1cm~2cm凹む程度の固さです。自転車に乗ったときにタイヤがポヨンポヨンするようならば、だいたい1.0kg/cm2くらいかもしれません。

「柔らか目の方が乗り心地が良い」とお考えになる方もいらっしゃるかもしれません。しかしながら、この状態で歩道と車道の段差などに強く乗り上げてしまうと、チューブがタイヤとホイールリムに強く挟まれて細かい穴がポツポツ空いたり、大きく裂けたりします。これが「リム打ちパンク」と呼ばれる症状です。
それでは2.0kgf/cm2に上げてみましょう。「2」、つまり標準空気圧の6割強の状態です。これくらいになってくると、タイヤはそれなりに固くなってきます。2本の指で強く押すと、ようやく1cm沈むくらいでしょう。乗車するとタイヤが若干大きめに変形するかなという程度です。街中で見かける買い物自転車のうち、これくらいの空気圧で乗っている方が相当いらっしゃるようです。

2.0kgf/cm2ほど上がっていれば、よほど強く段差に当てない限りトラブルは無さそうですが、タイヤはある程度変形するので「転がり抵抗」はまだまだ多い段階かもしれません。
標準空気圧の3.0kgf/cm2、つまり「3」の状態です。タイヤはパツンパツンの状態にあり、一般の方にとっては、「こんなに入れてしまって破裂しないだろうか」と心配になるくらいかもしれません。2本の指がプルプル震えるくらい全力で押しても、ようやく5~8mm凹む程度です。タイヤの取扱説明書には、「軟式野球ボール程度の固さ」と表現されています。タイヤはシャキッとした状態になり、乗車時の変形量も少なめです。

タイヤ自体が非常に固い状態になるので乗り心地は若干悪くなり、ハンドルにはビリビリ・・・という細かい振動が伝わってくるようになります。しかし、「転がり抵抗」が減る為か、下り坂でスピードが伸びるようになり、上り坂でも1回の漕ぎで進む距離が増すような感覚が味わえます。

新しく自転車を購入なさったとき、もしくはパンク修理を依頼した時などに、一体どれくらいが適正空気圧なのかを信頼できる自転車屋さんに教えてもらうのもひとつの方法でしょう。